しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年12月2日(土)

「もう戦争やめて」

退避先から戻る住民 自宅がれき

ガザ

 【カイロ=秋山豊】パレスチナのガザ地区では、退避していた住民が元の居住地に戻り、自宅ががれきと化した現実に悲嘆しています。住民に取材すると、戦闘中断の延長を求めつつ「もう戦争をやめてほしい」と訴えました。

 救助隊は戦闘再開を想定し、イスラエル軍に殺された住民の遺体を収容するため、時間とのたたかいを続けています。

 11月30日に本紙の電話取材に応じた救助隊のマフムード・バサル報道官は「24日に戦闘中断が始まって以降、ガザ市を含む北部の路上で約300人の遺体を収容したが腐敗していた。がれきの下敷きになっている遺体の収容努力も続けている」と話しました。

 ガザ当局によると7000人以上ががれきに埋まっています。住宅5万戸が全壊。24万戸が部分的に損傷しています。

 ガザ南部に退避していたアブマハムードさん(36)は自宅のあったガザ市に戻っています。「私たち家族は戦闘の中断を待ち望んでいた。少しでも苦しみを忘れ、家で心と体を休める時間を過ごしたかった」

 自宅はがれきの山となっていました。路上は爆撃で穴があいて歩くのが困難です。10歳の息子は泣きながら、おもちゃや退避する前に描いた絵、ノートをがれきのなかから探していました。

 アブマハムードさんは「私と子どもたちがイスラエルに何をして、こんな仕打ちを受けなくてはならないのか」と悔しい思いを語りつつ、「愛する家族を殺される不幸より被害は軽い」と自分をなぐさめます。

 アブマハムードさんは、戦闘が中断している間は屋外でがれきに囲まれながら過ごすと言います。「平穏な暮らしだけがたった一つの願いだ。もうこの戦争を終わらせてほしい」と話しました。


pageup