2023年12月1日(金)
米軍、停止要請を無視
オスプレイの飛行強行
沖縄・神奈川で目撃相次ぐ 陸自は停止へ
米空軍横田基地(東京都)所属の特殊作戦機CV22オスプレイが29日午後に屋久島(鹿児島県屋久島町)沖で墜落した事故をめぐり、木原稔防衛相は30日の参院外交防衛委員会で、「捜索・救難活動を除き、安全が確認されてから飛行を行うよう要請した」と述べ、米軍にオスプレイの飛行停止を要請したことを明らかにしました。要請は同日朝8時、在日米軍のラップ司令官に行いました。
ところが同日午後、綾瀬市、海老名市、藤沢市など神奈川県内の複数の地点で、住宅など人口密集地上空を飛ぶ複数のオスプレイが相次いで目撃されました。住民からは怒りと不安の声が相次いでいます。普天間基地(沖縄県宜野湾市)周辺でも30日、同基地所属のMV22オスプレイの飛行が終日確認されました。政府の要請さえ平然と無視し、日本を植民地扱いする米軍の横暴ぶりが示されました。
また、防衛省は陸上自衛隊のV22オスプレイをめぐっても、当面の飛行停止を決め、12月3日に佐賀県で予定されていたデモフライトも中止しました。一方、松野博一官房長官は30日の記者会見で、陸自オスプレイの佐賀空港への配備は変更しない考えを示しました。
CV22の墜落をめぐり、米空軍特殊作戦軍司令部は29日付の報道発表で、「定期的な訓練」の中で発生し、乗組員は8人だったと明らかにしました。
現場海域で発見され、死亡が確認された男性1人は搭乗員であると確認され、30日午後、遺体が米側に引き渡されました。日本国内で起きたオスプレイの事故で死者は初めて。海上保安庁や自衛隊などは残る7人の救助、捜索を続けています。
事故をめぐって、防衛省は29日夜の時点で「不時着水」と表現していましたが、30日時点で「墜落」と言い換えました。いずれも米軍の説明の変更に伴うものだといいます。(関連記事)