しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年11月28日(火)

きょうの潮流

 「保育中の重大事故の検証や提言を、制度に反映する責任が国にはあると思います」。12年前に1歳7カ月の長女を亡くした阿部一美さんの、心の底からの叫びでした▼すべての子どもによりよい保育をと、23日に開かれた大集会での一コマです。全国から約2000人の保育士や保護者、子どもらが東京・日比谷野外音楽堂へ。保育制度の改善をアピールしながら、銀座をパレードしました▼二度と子どもの命が奪われることのないようにと積み上げた願いは、事故の検証やガイドライン作りを後押ししました。ようやく国も、75年ぶりに保育士の配置基準を変えると言い出しました。しかし、具体化はこれから。国が推進する「こども誰でも通園制度(仮称)」では、園や時間などを固定しない「自由利用」へ、多様な業者が関わることに不安が募ります▼保育中の死亡事故が多いのは0、1歳児。通い始めた初日、または数日後に亡くなっているという実態が。「この制度で安全に過ごせるのか」。阿部さんはこう問いかけ、条件整備を訴えました▼「子どもたちにもう1人保育士を!」と求める保護者アンケートには、6000人超から回答が寄せられています。「長年動かなかったこの山を、私たちの力で動かしましょう」。わが子の手を握りながら、保護者が呼びかけます▼軍事費の倍増ではなく子ども予算の倍増を。戦争で命を奪わないと決めた憲法をもつ国だからこそ、命を豊かにはぐくむ保育のしくみをつくる責務があるはずです。


pageup