2023年11月24日(金)
女性への暴力撤廃デー 国連で会合
「暴力は人間性の汚点」
【ワシントン=石黒みずほ】ニューヨークの国連本部で22日、「女性に対する暴力撤廃国際デー」(25日)を記念する会合が開かれました。UNウィメンのバホウス事務局長は「女性に対するあらゆる暴力は人間性の汚点だ」として、暴力根絶に一層の取り組みを呼び掛けました。
バホウス氏は、1時間に5人以上の女性が配偶者などの近親者による暴力で殺害されていると告発。「女性への暴力は平和や安全保障、持続可能な開発目標(SDGs)達成の妨げとなっている」と述べました。
国連総会のフランシス議長は、生涯で少なくとも一度は身体的または性的暴力を受けたことのある女性は世界で7億3600万人いながら、助けを求めた女性は4割にも満たないと指摘。教育の機会など不平等の根本的な解決に向けた投資が必要だと述べ、「ジェンダー平等は選択ではなく、社会にとって効果的で、道徳的に緊急に実現すべき課題だ」と強調しました。
国連のモハメド副事務総長はビデオメッセージで、女性への暴力は「最も広く行き渡った人権侵害」だと強調。世界中で、ジェンダー平等への反発から、長年かけて勝ち取られた前進が後戻りし、活動家がオンライン上でも危険にさらされていると警鐘を鳴らし、行動を呼び掛けました。
国連は女性への暴力根絶に向け、25日から「世界人権デー」(12月10日)まで、16日間の行動を呼び掛けています。








