2023年11月22日(水)
外苑再開発
歴史的樹木の検討欠落
事業者の調査誤り イコモスが批判
![]() (写真)記者会見する日本イコモス国内委員会の石川幹子理事(右)ら=21日、都庁 |
樹木数千本を伐採・移植して超高層ビルを建設する明治神宮外苑再開発計画(東京都新宿区・港区)で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)の日本国内委員会が21日、「再開発の環境影響評価(アセスメント)書で歴史的樹木の検討が欠落している」と批判し、科学的で公正な審議をやり直すよう都と都議会、都アセス審議会宛てに要請しました。
都庁で記者会見した日本イコモスの石川幹子理事は、三井不動産など事業者が9月に示した見解で「(伐採・移植する木の)樹齢を確定できる記録がない」としたことについて「木の高さや幹周りなどから樹齢の推定は可能。樹木1本1本を調べるアセスの基本的責務を、事業者は履行していない」と指摘。事業者の現況調査について「植物群落の場所や断面図も間違っているなど、科学的根拠がない」と批判しました。
石川氏は、新ラグビー場の移転建て替え予定地の「建国記念文庫の森」にある希少なヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)の木について、100年前の外苑創建当時の図面に描かれてきたと具体的に紹介。「アセスで樹木への影響を問題ないとしているのは、誤りだ」と述べました。
事業者や都がイコモスの要請に回答していないことについて「遺憾で大変深刻だ」と述べ、審議会が審査をやり直すよう改めて求めました。









