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2023年11月20日(月)

きょうの潮流

 いのちの尊さを問いかける作品。新しい発想や表現の方法に挑戦するつくり手。いま東京・練馬区の「ちひろ美術館」で、2010年から21年までに出版された絵本が展示されています▼10年ごとに時代を代表する絵本を紹介してきた展覧会。4回目となる今回は、東日本大震災から始まり戦前回帰やコロナ禍と厳しい社会状況が続いた年代です。作家たちは子どもをはじめ人びとの心に寄り添い、多様で豊かな絵本を届けてきました▼時代や世界の流れを敏感に映しとる絵本の世界。時や世代をこえて読み継がれる作品もあります。いわさきちひろの「戦火のなかの子どもたち」もその一つ。ベトナム戦争で米軍の激しい爆撃が行われていた頃に描き始めました▼自身の戦争体験をふまえながら、子どもたちの幸せと平和を願い最後に完成させた絵本。「戦場にいかなくても戦火のなかでこどもたちがどうしているのか、どうなってしまうのかよくわかるのです。こどもは、そのあどけない瞳やくちびるやその心までが、世界じゅうみんなおんなじだから」と▼館長の黒柳徹子さんも「あのなかに全部自分の気持ちも含まれていたんだろうなって」。42年ぶりに続編が刊行された『窓ぎわのトットちゃん』も、ちひろの絵があったからこれだけ多くの人に愛されたと語っています▼美術館でも「戦火のなかの子どもたち」をじっと見つめる姿がありました。ガザでウクライナで、いまも傷つき泣き叫ぶ小さきものを救いたい―その思いを重ねながら。


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