2023年11月17日(金)
安保理、戦闘「中断」決議
米英ロは棄権 ガザ巡り初採択
【ワシントン=石黒みずほ】国連安全保障理事会は15日、イスラエルによる大規模攻撃が続くパレスチナ自治区ガザを巡って緊急会合を開き、イスラエルとイスラム組織ハマス双方に戦闘の「緊急かつ人道的な中断」を求める決議を採択しました。10月7日に衝突が始まって以降、安保理が決議を採択したのは初めてです。
決議は、ガザに迅速で妨げられることなく人道支援物資を届けるため、「十分な日数」の戦闘中断と人道回廊の設置を要請。ハマスなどの組織に拘束されている人質、特に子どもを「即時かつ無条件で解放」するよう求めています。
決議案はマルタが提出。15理事国のうち日本やフランスなど12カ国が賛成し、米国と英国、ロシアが棄権しました。安保理決議には法的拘束力があるため、違反には制裁が科される可能性があります。
パレスチナは、決議を現実のものとすることが必要だと強調。「パレスチナ人もイスラエル人も犠牲にならない別の道がある。平和を実現する時だ」と訴えました。イスラエルは、人質の解放が最優先であり「任務を果たすまでは必要な手だてを講じていく」と述べました。