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2023年11月16日(木)

きょうの潮流

 あってはならない悲劇が起きました。10月13日未明、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバーが、自ら命を絶っていたことがわかりました。故ジャニー喜多川氏からの性加害を告発後、“売名行為”“金目当て”などの誹謗(ひぼう)中傷に悩まされていたといいます▼性被害のトラウマに苦しんだあげく、よりよい社会を願って告発したら、正体不明の人たちから心ない言葉を投げつけられる。「魂の殺人」といわれる性暴力。彼は誹謗中傷で2度殺された、といっても過言ではありません▼脳裏をよぎったのは10月9日に旧ジャニーズ事務所が出した声明です。そこには「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数ある…」と▼この声明が“犬笛”となって誹謗中傷を扇動したといえないか。その一つひとつが、声をあげた被害者たちをいかに傷つけたか▼遺族が代理人弁護士を通じて発表したコメントには、5月に事務所に電話で性被害を訴えたが5カ月以上連絡はなく、9月に再度告発しても放置された、とあります。中傷についても事務所に対策を求めたが、具体的な措置は講じられなかった、と▼14日、宝塚歌劇団が団員の急死を受けて記者会見を行いました。華麗な世界の深い闇が次々と暴かれています。日本共産党国会議員団も、芸能人の被害を救済し、人権保障を進めるために政府に提言しました。なぜ放置されてきたのか。政治も社会も日本全体が問われる問題です。


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