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2023年11月14日(火)

きょうの潮流

 「だれにでもできる国際協力」には三つのステップがあるといいます。まずは、相手の心を感じること。次は相手の状況を知って、それについて考えること。そして、その道をひろげること▼国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田(せいた)明宏・保健局長が著書『天井のない監獄 ガザの声を聴け!』で強調しています。国際協力の世界には問題が山積し、いつも答えがあるわけではない。しかしすべては他国の人々への共感から始まると▼イスラエル建国の翌年に国連総会で決まったUNRWAの創設。当初の活動期間は3年とされましたが、延長に次ぐ延長。いまや支援は4世代にもわたります。医療や保健、教育や福祉と生活全般に及ぶ援助はパレスチナの人たちの命綱に▼いまガザでは100人をこえる国連職員が命を落としています。UNRWAは「亡くなった同僚は教師や医療関係者、技術者などであり、母や父、息子や娘、夫や妻でもあった」。13日には各地の国連職員が黙とう、半旗を掲げました▼病院や学校、難民キャンプと国際法上も許されないイスラエルの攻撃。その現実のなかで、支援を続け、彼らのそばに立っていくことが、いま一番大事だと清田さんはいいます▼戦争はなくならないと悲観する向きもある一方で何ができるかと自問自答する日々。世界の流れはどこにあるのか、自分の国の政府がこの集団殺害や戦争についてどんな態度をとっているか。そこに目を向けて行動することも私たちの国際協力です。


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