2023年11月10日(金)
薬供給 国の責任で
不足深刻 保団連が対策要請
![]() (写真)医薬品不足について会見する保団連の医師ら=9日、衆院第2議員会館 |
医師が処方する医薬品の供給不足が深刻化している問題で、開業医らでつくる全国保険医団体連合会(保団連)は9日、衆院第2議員会館で厚生労働省と交渉し、国の責任で対策を取るよう求めました。
岡山県保険医協会の田中正子事務局長は、9月に行った緊急アンケートを紹介しました。9割近くの医療機関が「入手困難な医薬品がある」と回答。鎮痛解熱剤、せき止め、たん切り薬など幅広い薬品の他、糖尿病や高血圧の薬など「命にかかわる薬も不足している」と発言。医薬品不足によって「投薬治療ができない」「代替薬では効果が出ない」「患者の病状が悪化」「手術ができない」など、8割の医療機関で診療に影響が出ていると述べました。
要請では、製薬会社の相次ぐ不正による出荷停止処分に端を発した医薬品不足が長期化していると指摘。背景に、製薬メーカー、とりわけ後発医薬品(ジェネリック)メーカーが安定的に医薬品を生産する体制が確保できないまま、政府が後発医薬品促進策を強行してきたことなどがあると訴えました。
根本には、政府の社会保障費抑制、医療費削減があるとして、政府に対し「同政策の誤りを認め、公的医療提供に責任を負う立場として、医薬品の安全確保、安定供給に必要な対策を講じる」よう求めました。









