2023年11月10日(金)
きょうの潮流
これでも岸田首相は「適材適所」と言い続けるのか―。買春疑惑の文科政務官、法を破る法務副大臣、そして滞納をくり返していた財務副大臣。まさに不適切な人事のオンパレードです▼自身が代表取締役となっている会社が保有する土地と建物が、固定資産税の滞納によって過去に4度も差し押さえを受けていた。そう週刊誌に報じられた自民党衆院議員の神田憲次・財務副大臣が、国会で深く反省すると認めました▼謝罪はしたものの、副大臣の辞職については否定。「引き続き職務の遂行に全力を傾注する」と。何か問題を起こした時にみずからそれを免罪するかのように使われる言い訳。責任逃れの典型です▼内閣改造後の新体制からわずか2カ月。相次ぐ政務三役の不祥事に、首相の任命責任はあまりにも重い。しかし本人はどこ吹く風で、事実を調べて国民に明らかにするそぶりさえ見せません。「適材適所」も忘れたように▼軒並み最低に落ち込む支持率。内政外交ともに打つ手がことごとく反発を買う失政。そのうえ、物価高に賃上げが追いつかないなかで、自身や閣僚らの「給与アップ法案」が審議入り。世間の怒りや批判はさらに広がっています▼年内の衆院解散を見送る意向を固めたという首相。追い込まれながら、保身のために解散権を利用する。ガザへの虐殺をやめよといわず、あらゆるものの値上がりで生活が苦しくなるなか、力を尽くすのは権力を維持することだけ。その姿に、多くが同じ思いを。「そうはさせるか」








