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2023年11月9日(木)

阪神・オリックス優勝パレード

教職員に大阪府 ネット募金要求

「寄付で評価?」組合懸念

 23日に大阪市と神戸市で予定されているプロ野球阪神タイガースとオリックス・バファローズのリーグ優勝記念パレードの開催費用を集めるため、大阪府が府立学校の校長・准校長に、教職員がクラウドファンディング(CF)に協力するよう事務連絡を出したことが8日、本紙が入手した文書から分かりました。府から教職員への要請はCFの強要になりかねないため、教職員組合関係者は「府が呼びかけること自体が問題だ」と批判しています。(嘉藤敬佑)


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(写真)大阪府が府立学校の校長・准校長に対し送った事務連絡の文書

 本紙は大阪府府民文化総務課が7日に出した事務連絡を入手。同連絡は、パレード開催のため警備費、交通規制告知などに5億円かかると説明。教職員に対しCFを周知し、協力するよう求めています。寄付額は「3000円以上」で、申し込みは「勤務時間外に行ってください」としています。

 パレードは大阪府・市、兵庫県、神戸市、関西経済連合会などでつくる「兵庫・大阪連携『阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード』~2025年大阪・関西万博500日前!~ 実行委員会」が主催。優勝とは関係のない「万博」の文言を盛り込んだことで「便乗だ」などの批判も出ていました。

 CFの到達は8日午後5時現在で約6000万円。CFが伸び悩んだため実行委員会副会長の吉村洋文府知事は6日夕に会見し「5億円という非常に高い目標でクラウドファンディングを行っており、目標には達していない」と協力を呼び掛けていました。

 大阪教職員組合(大教組)の米山幸治書記長は「CFは、誰が寄付をしたかが分かる。それが個別の教職員の評価にもつながりかねない」と懸念します。そのうえで「府から校長に依頼するとしても、本来なら教育委員会を経由すべきだ。府も呼びかけが問題だと認識しているがゆえに、勤務時間外にCFを申し込むように求めているのではないか」と指摘します。

 府民文化総務課の担当者は「府が事業を行う場合は、職員に向けPR活動を行ってきた。慣習的なもので、今回だけが特別ではない」と説明。ただ、過去に府が教職員にCFへの協力を求めたかどうかについては「分からない」と回答しました。


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