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2023年11月6日(月)

中絶の権利へ運動こそ

東京 来日の英女性活動家が講演

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(写真)自身の体験や日本の現状などについて講演するマージ・ベラーさん=5日、東京都内

 性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を女性の権利として確立させるために長年活動してきた英国在住の女性活動家が5日、東京都内で、自身の体験や日本の現状などについて講演しました。主催は、安全な妊娠の中絶の保障などを求めて活動する市民団体「#もっと安全な中絶をアクション」です。

 講演したのは、初来日した英国在住の女性活動家、マージ・ベラーさん(76)です。1970年代から世界各地で女性の安全な中絶の権利を求めてたたかってきました。現在は、「女性の権利としての安全な中絶・国際キャンペーン」のコーディネーターとして活動しています。

 20代のときに予期しない妊娠を経験したことがきっかけで活動を始めたマージさんは、「半世紀という長い間の活動の中で、中絶に対するスティグマ(負の烙印=らくいん)が少なくなってきている」と強調。多くの国で中絶の合法化によって、死亡するリスクが減り、安全な中絶が行われていることに言及しました。

 国内では4月に厚生労働省が経口中絶薬(人工妊娠中絶のための飲み薬)の製造販売を承認し、5月から販売が開始。当面は入院施設のある医療機関での処方に限られ、価格も高額なため、当事者や市民団体などからは「中絶を必要とする人がアクセスしづらい」といった声が上がっています。

 マージさんは、こうした日本の現状について「政府が中絶の問題に関わりたくないという印象を受ける」と指摘。母体保護法の配偶者同意要件によって、中絶を希望する女性が意思に反した妊娠をせざるをえないことにもふれ、「男性支配の構造的問題がある。活動を理解してくれる医療関係者などを巻き込んで、運動の輪を広げていくことが大切だ」と話しました。


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