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2023年11月6日(月)

きょうの潮流

 「やむをえない」。なんともあっけない受け入れ表明に拍子抜けしました。大阪・関西万博の会場建設費増額をめぐる吉村洋文大阪府知事と横山英幸大阪市長の態度です▼日本博覧会協会が提示したのは500億円の増額。当初の1250億円から2350億円へと1・9倍も膨れ上がりました。資材や人件費の高騰が理由。「想定を超える物価上昇」だからというのですが、見通しの甘さはいなめません▼大阪の維新府市政がカジノと一体で推進し自公政権が後押しした万博。吉村知事も横山市長も博覧会協会の副会長。「2度目の増額。おわびする」という言葉も軽く聞こえます。世論調査では増額に「納得できない」が7割を超えます▼建設費は国、府市、経済界が3分の1ずつ約783億円を負担します。府市は折半で約392億円。1人当たりに換算すると国民1億2434万人は630円。大阪府民877万人は4470円で大阪市民277万人は1万4152円。大阪市民は国民、府民でもあるので計1万9252円。4人家族では7万7千円。当初見込みから2倍近い負担です▼わずか半年の万博。「やむをえない」ですむ負担なのか。交通などインフラ整備費は7500億円に膨張。すべては「半永続的」なカジノ誘致のため。税金投入に万博が利用されているとしたらだれが納得するでしょうか▼吉村氏は「未来のための投資」といいます。人の不幸のうえに成り立つカジノに「いのち輝く未来」(万博テーマ)などありません。


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