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2023年11月4日(土)

私たちはゆっくり殺されるんだ

国連施設に69万人避難 ガザ 劣悪環境

 【カイロ=秋山豊】パレスチナのガザ地区では国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の149施設に約69万人が避難しています。住民はイスラエル軍の空爆におびえながら、劣悪な環境で避難生活を強いられています。

 UNRWAの学校が避難所に使われています。現地ジャーナリストを通じて本紙の取材に応じたオンモナーデルさん(34)は1週間前、夫と5人の子どもと南部ハンユニスの学校に避難しました。今まで暮らしていた中部の自宅は空爆で崩壊。避難先の校舎は過密状態で、外にテントを張って生活しています。

 「夜は暗闇のなかで爆撃の音が響いている。子どもたちは寒さと恐怖で一晩中泣いている。うちに帰りたいと言われると返事ができない。私の精神状態は限界だ」。UNRWAの学校も空爆の被害を受け、死傷者が出ています。

 「夫は糖尿病だが薬がない。水は不足していて、私の家族は1日にペットボトル1本しか受け取れない」。ガザのメディア当局者によると、UNRWAが配っているボトルは2リットル入りです。

 避難所は悪臭が漂っています。水がなく、海で体を洗い、洗濯をする人もいます。トイレを使うのに1時間も並ばないといけません。

 アハマド・ハスーナさん(43)は2週間も着替えられずにいます。家族と避難している教室には約60人の避難者がいます。

 「食料は本当に限られている。子どもにはわずかな缶詰や保存食を食べさせている。温かい食事を与えたくてもない。子どもの具合が悪くなるのは時間の問題だ。私たちはゆっくり殺されるんだ」と話しました。


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