2023年11月2日(木)
きょうの潮流
「真ん中世代」という言葉をよく見聞きするようになりました。「まんなか」「まん中」など表記はさまざま。青年でもなく、高齢者でもない、人生のちょうど真ん中あたりの世代を指します▼2011年に東京・練馬区で「まんなか世代後援会」が生まれました。以来、いろいろな組織や集まりなどでこの呼称が使われ、党内でもすっかり定着した感があります▼「しんぶん赤旗」では08年から、くらし家庭欄で「まんなかねっと」の特集や交流コーナーを開始。仕事や子育て、家庭や将来など世代特有の思いや悩みに光を当てました▼バブル崩壊後の長期不況のもとで生まれ育ち、いまなお先行きの見えないくらしを余儀なくされている世代。実質賃金が減らされ、社会保障や年金も心もとない。経済が停滞と衰退に陥った「失われた30年」の痛みに直撃され、分断されてきました▼同時に「路上民主主義」のうねりをつくり出してきた世代とも重なります。脱原発や安保法制反対運動の一翼を担い、ツイッターデモをはじめとするコロナ禍でのSNSを通じたアクションにも、この年代が多く参加しました。組織の動員ではなく、自覚的で創意的に運動する頼もしさが光ります▼長らく社会の真ん中に据えられず、端っこに追いやられてきた人たち。それでも、この世代が持つエネルギーは、「失われた30年」の歳月を経ても失われていません。世代をこえて手を携え、希望ある社会をつくりたい。「真ん中世代」の力の発揮が求められています。








