2023年11月1日(水)
予算委に柿沢氏出席させず
法務省は憲法・国会法違反
山添氏が指摘
岸田文雄首相は31日の参院予算委員会で、公選法違反事件にかかわって柿沢未途法務副大臣が辞任したことについて「山田太郎文部科学政務官に続く辞任で、任命権者としての責任を重く受け止めている。真摯(しんし)に受け止め、国民の信頼を回復できるよう内閣として与えられた課題に全力で取り組む」と述べました。
柿沢氏は同日午前の予算委員会の最中に辞表を提出。与野党は同委理事会で柿沢氏の出席を求めることで合意していましたが、柿沢氏は出席せず、委員会が中断しました。
同委理事会で、法務省は、小泉龍司法相にも相談せず柿沢氏を出席させることは適当でないと判断したと説明しました。日本共産党の山添拓参院議員は「委員会として答弁要求をしており、大臣の出席は憲法上の義務だ。副大臣もこれに準じた義務を負う」「法務省が憲法・国会法違反をしたという問題であり、そのままにするわけにはいかない」と批判しました。
その後再開した同委員会で小泉法相は「法務省として副大臣を出席させないという判断を法相にはからないまま事務方の独断で行ったことが確認された。越権行為であり不適切なものだった。監督不行き届きを痛感する」と謝罪しました。
末松信介予算委員長は「国会に対する義務を果たさず、勝手な判断を法務省が行い、予算委員会の権威をおとしめた」と断じました。
立憲民主党の杉尾秀哉議員が柿沢氏に対する質問権を奪ったのは憲法違反だと指摘したのに対し、小泉法相は「おっしゃる通り。二度とあってはならない問題」と謝罪。岸田首相も「国会の権威を損なう重大な行為だった。二度と起こらないよう徹底させる」と述べました。