2023年10月30日(月)
賃上げ25%など暫定合意
米自動車労組 ステランティスと
【オースティン(米テキサス州)=島田峰隆】全米自動車労組(UAW)は28日、ステランティス(旧クライスラー)との間で新たな労働協約で暫定合意に達したと発表しました。1カ月余りに及んだストは終結します。
UAWは9月半ばから、米三大自動車企業「ビッグ3」で一斉ストを開始。フォードとは今月25日に暫定合意に達しました。ゼネラル・モーターズではたたかいが続き、28日にはテネシー州スプリングヒルの工場で新たなストが始まりました。
UAWのフェイン議長は同日、フェイスブックでステランティスとの暫定合意について「われわれは空前の労働協約を勝ち取った」と評価しました。
米メディアによると、ステランティスとの暫定合意はフォードとの合意と類似した内容。今後4年半で25%の賃上げを実施し、物価上昇に合わせて調整を行います。
また、閉鎖した工場を再開して必要な労働者を再雇用し、現工場の拡張などにより最大5000人の新規雇用を創出します。
ステランティス社は28日、「労働者の職場復帰を歓迎し、操業が再開されることを楽しみにしている」と表明。バイデン大統領は同日、暫定合意について「労働組合の力の証し」だと歓迎する声明を発表しました。
暫定合意は今後、交渉を担当した労組指導部、組合員全体による承認投票に順次かけられます。