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2023年10月30日(月)

ガザ 5500人出産間近

適切医療なく母子に危機

 【カイロ=秋山豊】パレスチナ自治区ガザで妊婦が適切な医療を受けられず、おなかの子と母親の命が危機にさらされています。国連人口基金(UNFPA)によると、ガザには推定5万人の妊婦がおり、約5500人が30日以内に出産予定です。


 女性の権利向上を求める団体「アクションエイド・パレスチナ」のリヘイム・ジャファリさんが27日、本紙の電話取材に応じ、「妊婦は家と病院のどちらで出産するにしても苦難を強いられている」と語りました。

 家での出産は医療環境がなく非常に危険です。さらに、イスラエルによる空爆と燃料供給の遮断で多くの医療施設が患者をケアできなくなっています。治療を続けている病院も負傷者でいっぱいで、自家発電機の燃料も医療資材も枯渇。病院への道はがれきで埋め尽くされています。

 流産や早産をする妊婦も多く、水と食料不足にも苦しんでいるといいます。

 ジャファリさんを通じて取材に応じた女性は1週間前、空爆のために病院に行けず、自宅で第一子を出産しました。医師の夫は病院にいて連絡が取れませんでした。

 「とても怖かった。2週間前に亡くなった親せきと同じ運命をたどると思った」―その親せきは妊娠7カ月で夜、おなかの激しい痛みに襲われましたが、空爆のため朝まで病院に行けず容体が悪化しました。

 女性は「息子を抱きながら、私は空爆ですぐに殺されると思っている。だけどこの子には戦争のない平和な環境で生きてほしい」と語りました。


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