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2023年10月29日(日)

きょうの潮流

 先日、久しぶりに地域の新婦人の集まりに参加しました。そこで話題になったのは、女性のひきこもり。「新婦人しんぶん」が以前、特集を組んでいたからです▼お孫さんが筆者の子どもと同じ中学校に通うという70代の方は娘さんが就職氷河期世代だと語ります。娘さんと同世代の知人のなかに、就労でのつまずきが原因で長期間にわたってひきこもり状態になっている人が何人かいるとも▼40~64歳でみると、ひきこもり状態にある人の52・3%が女性(2022年度、内閣府調査)。KHJ全国ひきこもり家族会連合会には、女性からの相談が増加傾向にあるといいます。「伝統的な役割分担の価値観から声を上げられずにいた女性たちの間にも『自分もそうだったんだ』という認識が広がり、SOSを上げ始めた女性たちの姿が顕在化したと言える」▼ひきこもりが社会問題としてとらえられるようになったのは1980年代。当時は不登校の延長にあると考えられていました。日本経済が停滞化するなかで、就職難がすすみ再就職も困難に。ひきこもりの高年齢化、長期化の要因です▼80代の親が50代の子を養っている「8050問題」に重なります。「社会に迷惑をかけてはいけない」との思いが家族に重くのしかかります。背景にあるのは、「自助・共助」と家族どうしの支え合いを押し付けてきた政治です▼「社会のレール」から外れても何度でもチャレンジできる社会に―。「失われた30年」から抜け出す課題と結びついています。


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