2023年10月27日(金)

フォードと暫定合意

米自動車労組　賃上げ２５％　スト終結

（写真）１日目からストに入ったフォードの組み立て工場前でピケを張る組合員＝１６日、ミシガン州ウェイン（石黒みずほ撮影）

　【ワシントン＝石黒みずほ】米三大自動車企業「ビッグ３」に対しストライキを行ってきた全米自動車労組（ＵＡＷ）は２５日、フォード・モーターと新たな労働協約の交渉で暫定合意に至ったと発表しました。４１日に及んだフォードでのストが終結しました。

　暫定合意は、今後４年半の間に２５％の賃上げを保障し、初任給を６８％増の時給２８ドル（約４２００円）に引き上げます。現在賃金が最も低い従業員は１５０％増の賃金を受け取ることとなります。金融危機の際に廃止された、生活費高騰に合わせた手当の支給も復活。会社側が工場閉鎖をしようとする際にストライキを実行する権利を初めて勝ち取りました。

　ＵＡＷのフェイン議長は「大きな勝利だ。誰もが不可能だと思っていたものを可能にした」と強調しました。

　ミシガン州でＵＡＷのピケに駆け付けていたバイデン大統領は声明を発表し、「暫定合意はこれまで多くを犠牲にしてきた労働者たちに記録的な賃上げをもたらす」として、歓迎しました。

　ＵＡＷには５万７０００人のフォード従業員が加盟。暫定合意により１万６６００人の組合員が職場に戻ります。暫定合意は組合員投票で承認が必要です。

　ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）とステランティス（旧クライスラー）では、２万８０００人の組合員がストを続けています。