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2023年10月26日(木)

ガザ 赤ちゃんの命危機

底つく燃料「保育器止まる」

医師「発電再開を」

 【カイロ=秋山豊】イスラエルが封鎖するパレスチナ自治区ガザで、燃料が底を突く寸前です。ガザの保健当局などによれば、現在ガザ各地の病院で約130人の赤ちゃんが保育器に入れられています。

 ガザ市にあるシファ病院のメドハット・アッバス医師は24日、本紙の取材に対し、自家発電用の燃料が尽きて「電気が止まれば保育器は機能せず、赤ちゃんはみんな亡くなってしまう」と嘆きました。同病院の保育器で命をつないでいる赤ちゃんが約40人いるといいます。

 イスラエルはイスラム組織ハマスによる攻撃への報復で、ガザに対する無差別空爆を続け、水や電気のほか燃料の供給も遮断しています。11日にはガザ唯一の発電所が燃料不足で停止しました。

 アッバス氏は「ガソリンスタンドに残っている燃料と、住民が保管していた燃料をもらって発電機を動かしている。あと3日持つかどうか分からない」と言います。ガザには21日からわずかながら支援物資が搬入されはじめましたが、燃料は含まれていません。

 アッバス医師によれば、妊娠32週の女性が空爆で負傷して運ばれてきましたが、帝王切開で赤ちゃんだけは取り上げたものの、母親は亡くなりました。赤ちゃんの状態は安定していますが、特別なケアが必要なため入院しています。家族全員が空爆で殺され、この子が唯一の生存者です。

 アッバス医師は「赤ちゃんたちが殺されていくのをただ見ているしかないなんてあってはならない。世界の政治指導者たちは、ガザの病院に燃料を直ちに届けてほしい。イスラエルに、燃料を供給して発電所を回復させるよう迫ってほしい。戦争を直ちに止めてほしい」と訴えました。


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