2023年10月26日(木)
アイスランド 男女同権求めスト
平等1位でも「格差残る」
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【ベルリン=吉本博美】北欧の島国アイスランド(人口約37万人)で24日、男女の賃金格差や性暴力を終わらせようと、女性とノンバイナリー(男でも女でもないとする性自認)による全日ストライキが48年ぶりに行われました。
ストは、女性たちが家事や子育てを含むあらゆる仕事を放棄するよう呼び掛け。小中学校の教師の8~9割が女性のために学校は全日休校になりました。病院や図書館など多くの公共施設も開館時間が短縮されるなど、女性の存在感を社会に示しました。
アイスランドは、世界経済フォーラムが発表する「ジェンダーギャップ指数」で、2009年から14年連続1位を獲得。一方で政府統計では、女性の平均賃金(22年)は男性よりも21%低く、アイスランド大学の調査では、4割の女性が性暴力を経験しています。
スローガンは、「これのどこが平等なのか?」。首都レイキャビクでは、空前の規模の女性たちが街頭を埋め尽くしました。
アイスランド公務員連合のステイングリムスドッティル事務局長は「私たちの国は平等の楽園かのようにいわれるが、格差はまだ残っている」と強調。女性の就労者が多い介護・保育分野の賃金が特に低く、下に見られているとして「変えるための緊急行動が必要だ」と述べました。
ストには、ヤコブスドッティル首相も参加。女性閣僚が半数を占める閣議も24日には開きませんでした。
1975年に初めて行われた「女性の休日」ストには9割の女性が参加。翌年、男女同一賃金を含む「ジェンダー平等法」が制定されました。