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2023年10月24日(火)

藤本四段勝ち タイ

将棋新人王戦 終盤の攻防を制す

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(写真)対局後に検討する藤本四段(右)と上野四段。奥中央は立会人の畠山鎮八段=23日、大阪・関西将棋会館(峯松進撮影)

 将棋の上野裕寿(ひろとし)四段(20)の先勝で迎えた第54期新人王戦(しんぶん赤旗主催)の決勝三番勝負第2局が23日、大阪市福島区の関西将棋会館でおこなわれ、藤本渚(なぎさ)四段(18)が181手で勝ち、対戦成績を1勝1敗のタイに戻し、決着を最終第3局に持ち込みました。

 第3局は31日(火)に同所でおこなわれます。

 ともに井上慶太九段門下の兄弟弟子。しかも年齢も近い兄弟弟子対決ということで注目を集める決勝三番勝負。

 第2局は、相掛かりとなり、互いに玉を固く囲うことなく、戦機をうかがいながら細かくポイントをとりあうような展開に。消費時間も、第1局と異なり、ほぼ拮抗(きっこう)した状況で推移しました。

 立会人の畠山鎮八段は、「派手な切り合いではないが、つばぜり合いのまま、ぎりぎりと互いに相手の持ち時間とスタミナを削り合うような展開」と評しました。

 先手の藤本四段がやや優勢の形勢を築くなか、110手を超えて、互いの金銀がぶつかりはじめると一気に激しい終盤戦に突入。

 先手の藤本四段が優勢を次第に広げ、勝勢かと思われる状況になりましたが、上野四段も粘り、一時は一手指すごとにAI(人工知能)の示す、勝つ確率が双方に振れ、力のこもった熱戦に、対局者の師匠・井上慶太九段も検討に加わる控室も盛り上がる状態に。

 互いに持ち時間を使い果たし、一分将棋となったまま、激しい攻防がつづき、最後は、「相入玉か」と思われる状況から、先手玉が先に相手陣内に入玉し、詰まされない形となり、懸命に入玉を目指す後手玉を捕らえて、投了に追い込みました。

 勝った藤本四段は「第1局に負けているので、次に負けたら終わりというプレッシャーのなか、プレッシャーを力に変えることができたかな」と語り、第3局にむけて「上野さんの強さは改めて分かったので、気負わずに指していきたい」と語りました。

 敗れた上野四段は「序中盤に失敗し、だんだん押されて苦しくなってきた。お互い残り時間が少なくなって、終盤、チャンスと思える局面もあったが、一分将棋で、正解手順がわからなかった」とのべ、最終局に向けて、「準備をしっかりして、いい将棋を指せるように頑張りたい」と語りました。

棋譜


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