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2023年10月24日(火)

広田氏 自民独占破る

参院徳島・高知補選

共闘で新しい政治への一歩

 22日投開票された参院徳島・高知選挙区の補欠選挙で、幅広い市民とすべての野党が支援する前衆院議員の広田一氏(55)=無所属、日本共産党支援=が自民党の新人=公明党推薦=に圧勝しました。2016年に合区選挙になって以降、3回続いた自民党独占を今回、約9万票の大差をつけて破りました。市民と野党の共闘が支え、実績もある広田氏が両県民の願いと政権批判の受け皿となり、与野党対決の一騎打ちを制しました。(酒井慎太郎)


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(写真)演説先で市民と握手する広田氏

 「日本の政治をよりよくしていこうと、それぞれの立場を乗り越えて結集することができれば、自民党にも勝つことができることを証明できた」

 投票箱が閉まる午後8時に当選確実の一報が届き、歓声にわく高知市内の広田氏の事務所。広田氏は党派を超えて集まった支援者にこう語り、「今回の勝利は新しい日本の政治をつくるはじめの一歩になる。一つの希望を全国に示すことができた」とも述べました。

 広田氏は今回、オール徳島と高知憲法アクション、両県の共産、立民、社民、新社会の野党代表らとの対話集会で7項目の政策を確認し、市民と野党の共闘が実現。国民民主なども支援しました。

 各地で市民と野党がそろってアピールする宣伝や個人演説会なども開催。幅広い市民と各野党などが力を合わせました。

 高知県土佐町の鈴木大裕町議(無所属)もその一人。応援演説で、コロナ禍で苦しむ赤牛の生産者を訪ねて話を聞いてくれたなどと広田氏の16年間の国会議員の実績を紹介し、「即戦力として活躍できる」と訴えました。

 広田氏の事務所で当確を喜びあい、「今の政権に対する不信が顕著に表れたと思います。すごいことです」と記者に語りました。

 連合高知の池澤研吉会長はあいさつで「表舞台、裏舞台を問わず、みなさん方がしっかりと支えていただいた」と感謝し、「みんなで勝ち取った勝利だ」と強調しました。

露骨な切り崩し

 秘書に暴行した自民党議員の辞職に伴う今回の補選。自民党はこの暴行事件を真摯(しんし)に反省せず、責任を負うべき高知県議で県連幹事長だった西内健氏(56)を擁立しました。

 自民党はまた、告示前日、2年前の衆院選徳島1区を野党共闘で勝ち抜いた無所属の仁木博文衆院議員の入党を認め、次期衆院選の公認候補に内定。野党共闘の露骨な切り崩しまで行われました。

 しかし、広田氏は23万3千票余りを獲得し、約14万2千票の西内氏に大差で勝利。投票率は過去最低の32・16%に落ち込み、組織力のある自民党に有利とされるなか、広田氏は高知で約6万5千票差、徳島で約2万6千票差をつけました。

無党派層が支持

 高知新聞などが22日に両県で行った出口調査によると、広田氏は与党支持層の3割前後、無党派層の8割から得票。一方、西内氏は与党支持層すら固めきれなかったと報じられています。

 23日朝、両県の日本共産党はそれぞれ宣伝し、結果を報告しました。高知市の県庁前の宣伝には通りがかった男性が「よかったですね」と声をかけました。春名直章県委員長は訴えました。

 「幅広い市民のみなさんと日本共産党を含む野党が手を取り合い、スクラムを組むならば自民党政治を変えることができます。この結果を力に、みなさんの命、暮らしを守る新しい政治をつくっていくために頑張り抜きたい」


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