2023年10月24日(火)
きょうの潮流
めざす社会のキーワードとして注目されています。心身が満たされ、社会とのつながりも良好な状態。それが一時的ではなく持続していること。世界保健機関の憲章にも記されている「ウェルビーイング」です▼広い意味での健康や幸福を意味し、よりよく生きるための指標となっています。国連が毎年発表する世界幸福度ランキングにも反映され、6年連続で1位のフィンランドでは仕事や文化を語るうえで欠かせない考え方だといいます▼幸福度は47位で主要7カ国の中で最下位の日本はどうか。健康寿命は長いものの人生の選択の自由度や寛容さに課題があるとされます。内閣府の生活満足度調査でもミドル層や若年層で低下。賃金は上がらずコロナ禍や物価高でくらしは苦しくなるばかり。ウェルビーイングなど置き去りです▼岸田首相が所信表明でこの言葉を用いました。「持続的な賃上げに加えて人々のやる気、希望、社会の豊かさといったいわゆるウェルビーイングを広げれば日本国民が明日は今日より良くなると信じることができるようになる」▼しかし経済を連呼しながら、長年の停滞を招いてきた政策への反省も打開するための中身もない。どこに希望があるというのか▼岸田政権に対して厳しい審判が下った参院補選では改めて市民と野党の共同が政治を変える力となることを示しました。一人ひとりが幸せな人生を歩める社会を実現するためには政治の転換がなによりも。明日は今日より良くなると心から信じられるように。








