2023年10月20日(金)
戦闘中断決議案を否決
国連安保理 米国が拒否権
ガザ
【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は18日、パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃を非難し、双方に戦闘の一時中断を呼び掛けた決議案を採決しましたが、イスラエルを全面支持する米国が拒否権を発動し、否決されました。
ブラジルが提案
決議案は10月の安保理議長国のブラジルが提案。賛成は12カ国、反対は米国だけでした。ロシアと英国が棄権しました。
ブラジルが提案した決議案は、16日に否決されたロシア案と違いハマスによるテロ行為を直接非難する文言がありました。ハマスが拘束している人質の解放や国際人道法に沿った民間人の保護、人道支援回廊の設置などを求めていました。
否決後の議論で、ブラジル代表は遺憾だと表明し、「ガザ地区にいる無数の民間人はもうこれ以上、待ち続けることはできない」と述べました。モザンビーク代表が「われわれは賛成票を投じることで、暴力の激化とガザの人道状況の悪化に深い懸念を表明し、民間人を保護し国際法を順守する国連安保理の集団的な行動に加わることを望んだ」と述べるなど、遺憾の声が相次ぎました。
トーマスグリーンフィールド米国連大使は「イスラエルの自衛権に言及していないことに失望している」と反対の立場を表明。「すべての民間人の保護」の必要性や「ガザの人道危機」に触れてハマスを批判する一方、イスラエルによる過剰な報復攻撃は批判しませんでした。








