2023年10月15日(日)
ガザ南部退避「不可能」
国連総長「国際法順守を」
【ワシントン=島田峰隆】グテレス国連事務総長は13日、イスラエル軍がガザ市の全住民に対して24時間以内に南部へ退避するよう求めたことについて「まったく不可能なことだ」と語り、撤回を要請しました。ニューヨークの国連本部での記者会見で述べました。
グテレス氏は、ガザ南部の病院がすでに患者であふれており、医療体制が崩壊の瀬戸際にあることなどを指摘。「人口密集地の戦争地帯で地域全体が包囲されている時に、100万人以上の人々を食料や水、宿泊施設のない場所へ移動させることは、極めて危険だ。場合によってはまったく不可能だ」と強調しました。
グテレス氏は「戦争にもルールがある」と語り、国際人道法などの順守、民間人の保護、ガザで拘束されているすべての人質の即時解放を求めました。
グリフィス国連事務次長(人道問題担当)は同日、X(旧ツイッター)で、イスラエルの退避要請について「戦争のルールと人道の基本を無視するものだ」と厳しく批判しました。「ガザは激しい空爆のもとにある。退避できる安全な場所はない」「大勢の民間人の移動は人道上の破滅的な結果と長期にわたる影響をもたらす」と警告しました。








