2023年10月13日(金)
ガザ発電所停止 イスラエルが燃料遮断
「患者を救えない」
【カイロ=秋山豊】パレスチナのガザ地区で11日、唯一の発電所が稼働を停止し、全域で停電しました。イスラエルが燃料の流通を遮断したためです。病院は自家発電機の燃料がなくなれば医療機器が使えなくなります。イスラエルの空爆による負傷者や病人の命が危険にさらされています。
本紙の電話取材に応じたガザの医師、メタハド・アッバスさんは「私たちの病院の発電機は2日以内に止まってしまう。手足が切断され、大やけどを負った人びとが廊下にあふれている。腎臓病の患者も1000人ほどいる。電気が止まれば助けられない」と語りました。
ガザ保健当局によると負傷者は5600人に上り、病院は満床状態で患者が床に横たわっています。
イスラエルのカッツ・エネルギー相は11日の声明で「発電所は崩壊した。ガザに電気はない」と述べ、「(パレスチナのイスラム組織)ハマスの脅威が除かれるまで、われわれは包囲する」と述べました。
ロイター通信によると、12日早朝までで双方の死者は2400人。イスラエル側1200人、パレスチナ側1200人です。
イスラエル軍はガザに対し、11日も12日も「前例のない規模」(同軍発表)で空爆しています。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によるとガザ住民230万人のうち34万人近くが住居を追われました。
ハマスもガザからロケット弾をイスラエル領へ発射しています。








