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2023年10月11日(水)

戦闘激化 死者1600人超す

イスラエル「ガザ包囲」 ハマスは「人質」拉致

 【カイロ=秋山豊】パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘で9日、双方の死者が約1600人を超えました。イスラエルは30万人の予備役兵招集を発表するとともに、ガザへの食料や電気、燃料の流通を止める「完全包囲」をおこなうと発表しました。イスラエル軍によるガザへの地上侵攻が予想されるなか、ハマスは、イスラエルが警告なしにパレスチナ人の家屋を爆撃するたびに人質を処刑すると警告しました。


 イスラエルメディアによれば、ハマスの攻撃で900人以上が死亡し、2700人以上が負傷しています。ハマスの戦闘員は音楽祭の会場も襲撃し、約260人が死亡しました。イスラエル軍は、一時的にハマスによって制圧されていたガザとの境界近くのすべての町の支配を再確立したと述べました。一方でハマスに拉致された人々は100人を超えています。

 イスラエル軍はガザへの空爆を続け、これまでに687人が死亡し、3726人が負傷しました。約13万7000人が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の運営する施設に避難しています。

 イスラエルによる「完全包囲」について、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「占領地の住民から食料と電気を奪うことは集団的懲罰であり、戦争犯罪だ」と批判しました。

 イスラエルとレバノンの国境では、イランを後ろ盾とするレバノンの武装組織ヒズボラのメンバー少なくとも3人がイスラエルの攻撃で死亡。ヒズボラはイスラエルにロケット弾を発射しました。

 グテレス国連事務総長は9日、国連本部で記者会見し、ハマスの攻撃を「全面的に非難」し、「攻撃の即時中止とすべての人質の解放を求める」と述べました。同時にイスラエルによる報復攻撃について、「国際人道法を厳格に守って行わなければならない」と警告し、イスラエルが行おうとしているガザの完全封鎖について、強い懸念を表明しました。


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