しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年10月9日(月)

「診療報酬引き上げ」最多

保団連フォーラム 現場の調査を報告

写真

(写真)コロナ禍4年目の診療現場の実態・意識調査結果を報告した保団連の医療研究フォーラム=8日、東京都千代田区

 全国保険医団体連合会(保団連)の第38回医療研究フォーラムが8日、東京都内で開催されました。今回のメインテーマは「いのちと暮らしを支える医療~臨床の現場からの発信」です。

 住江憲勇会長が「国民生活の困難、医療現場の困難打開のために今必要なことは、所得再分配機能の強化・改善。大企業や富裕層への課税強化による社会保障財源の拡大が必要だ」とあいさつしました。

 コロナ禍4年目の診療現場の実態と意識調査の全国共同調査結果を、保団連の中島幸裕副会長が報告しました。

 同調査は23年4月~5月31日に実施。保険医協会・保険医会の医科・歯科開業医会員数の10%、8642人を無作為に抽出して調査。回答数は医科・歯科合わせて2088通でした。

 それによると、業務量の変化について、医科では「非常に増えた」「増えた」を合わせて54・2%、歯科では43%でした。疲労度の変化では、医科で「増えた」が55・2%、歯科で48・8%でした。

 また、医療機関の経営収支の状況では、「極めて順調」「順調」を合わせて医科は18・1%で、昨年比1・4ポイント増。歯科は14・3%で、昨年比0・2ポイント増でした。医業経営改善のために望む対応として「診療報酬の引き上げ」が最多となりました。

 中島氏は医療機関の経営について、医科の3割以上、歯科の4割以上が「苦しい」「非常に苦しい」状況にあると指摘。「医療機関が地域での役割を発揮していくためにも、保団連では今回の調査結果を踏まえた取り組みを進めていきたい」と述べました。

 京都大学の山極壽一名誉教授が「人間の本質とコロナ後の未来」と題して記念講演。

 9日には六つの分科会や、シンポジウム「認知症に向き合う医療~予防と共生に向けて~」が開かれます。


pageup