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2023年10月6日(金)

「代執行」へ国が提訴

辺野古新基地強行 「公益」争点に

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(写真)新基地建設が強行されている辺野古・大浦湾=2021年12月、沖縄県名護市(許可を得て小型無人機で撮影)

 斉藤鉄夫国土交通相は5日、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う軟弱地盤改良工事のための設計変更の承認を求める「指示」に対し玉城デニー県知事が4日、「期限までの承認は困難」と回答したことから、「代執行」強行に向け、知事に承認を命じる判決を求める訴訟を福岡高裁那覇支部に提起しました。新基地建設反対の沖縄の民意を圧殺し地方自治を破壊する暴挙です。

 デニー知事は、訴訟の提起を受け、「訴状の内容をよく確認してから対応について検討したい」と述べました。

 地方自治法は、「代執行」に関する訴訟の提起から15日以内に口頭弁論が開かれると規定しており、20日までに第1回が開かれる見通しです。高裁が国の訴えを認めても県が承認しない場合、国が県に代わって承認する「代執行」が強行されます。その場合、県は最高裁に上告できますが、判決が出るまで工事が続きます。

 新基地建設の設計変更に対する知事の不承認処分をめぐる訴訟では、最高裁が9月4日、県の上告を棄却しました。同訴訟で県は、最大で水面下90メートルにおよぶ軟弱地盤などにより新基地完成の見通しが立っていない問題や環境への甚大な影響などを訴えましたが、これらについて最高裁は何ら判断を示しませんでした。

 国は県による不承認処分は「公益を著しく害する」と非難。代執行訴訟では、「公益」とは何かが争点になりそうです。

 代執行 都道府県が行う事務手続きに関し、知事の対応が「著しく公益を害することが明らか」とされた場合、国が手続きを代行する強制手段。国は是正を勧告・指示し、知事が従わなければ、高裁に「代執行訴訟」を提起。国が勝訴すると「代執行」が強行されます。最近では、2015年に沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり国が県を提訴。翌年に和解しました。


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