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2023年10月5日(木)

米俳優組合 制作会社と交渉開始

脚本家スト勝利 励み

 ハリウッドでストライキを続ける全米映画俳優組合(SAG・AFTRA)は2日、制作会社(スタジオ)を代表する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)と労働協約をめぐる交渉を行いました。全米脚本家組合(WGA)のスト解除(9月27日)を受け、スタジオ側が交渉の席に着いた形で、俳優たちが7月にストを開始して以来、初めてです。(鎌塚由美)


 同俳優組合とスタジオ側は同日、双方が「丸一日の交渉を行うために会い、話し合いを終えた」と共同声明を発表しました。交渉内容については、ニュース発表を禁止することで双方が合意。4日に改めて交渉が行われます。

 俳優組合は交渉再開を前に、組合員に支援を呼びかけており、2日は、スタジオの重役も出席して交渉が行われた施設の前をはじめ、全米各地で俳優らがピケを張り、「公正な労働協約を」と声を上げました。

 ストで勝利した同脚本家組合は、▽賃上げ▽文書などを作成する生成AI(人工知能)利用の規制▽動画配信サービスで作品が使用された際の「再使用料」の支払い―を獲得し、同様の要求を掲げる俳優組合を励ましています。俳優組合は、オーディション方法やエキストラ俳優の処遇などでも改善を求めています。

 脚本家組合のスト終結を受け、2日にはテレビ各局で、深夜の人気コメディアンによるトーク番組が再開されました。スティーブン・コルベア氏の「ザ・レイト・ショー」(CBSテレビ)では、ニューヨーク市の劇場でコルベア氏がオープニングのモノローグで脚本家ストに言及。ストで勝ち取った「AIからの保護、物価上昇に見合う報酬引き上げ」などを列挙すると、観客から歓声があがりました。

 ケーブルテレビHBOのトーク番組(1日放送)では、司会のジョン・オリバー氏が、多くの労働者が犠牲を払ったストには「意義があった」と述べ、「公平な協約を勝ち取った労組の成果を誇りに思う。同時に、初日に申し出ることのできた内容を148日かけたスタジオに怒り心頭だ」と語りました。


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