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2023年10月3日(火)

主張

閣僚らの疑惑次々

首相の姿勢が厳しく問われる

 第2次岸田文雄再改造内閣の閣僚や自民党役員の「政治とカネ」を巡る法律違反などが次々と明らかになっています。国の事業を請け負っている企業から献金を受け取っていたり、政治資金で不透明な処理をしていたりするなど底なしです。閣僚や党要職の資格にかかわる問題だというのに、首相は国民に一連の問題を説明しようとしていません。首相の任命責任を含め、徹底糾明が必要です。

公選法が禁じる献金受領

 公職選挙法は、国政選挙に関して、国から公共事業を請け負っている企業や国と契約している企業からの寄付を禁止しています。

 自民党の萩生田光一政調会長、小渕優子選対委員長、高市早苗経済安全保障担当相が代表を務める自民党支部が2021年の総選挙の際、公共事業請負業者からそれぞれ10万~130万円の献金を受領していたことが判明しました。西村康稔経済産業相や宮下一郎農林水産相も21年総選挙で国と契約していた団体や企業からの献金を受け取っていました。

 問題発覚後、萩生田氏らは、国の公共事業を受注していた企業とは知らなかった、事業者が国の仕事に携わっているかどうか調べられなかったなどと釈明しました。受け取った金は返金するなどと説明しました。

 苦しい言い逃れです。いずれも当選回数を重ねた政治家であり、公選法の規定は熟知しているはずです。小渕氏は党の選挙を取り仕切る責任者でもあります。選挙の際にどのような企業や団体からの寄付なのかを調べるのは、最低限やるべきことです。返金で済まされる問題ではありません。

 加藤鮎子こども政策担当相には21年総選挙前に開催した政治資金パーティーの収入を巡り法律違反の疑いが持たれています。政治資金規正法は、同一の個人や団体がパーティー1回あたりに購入できる金額は150万円以下と定めています。しかし、加藤氏の資金管理団体の政治資金収支報告書には、同氏の関連政治団体から250万円が1回のパーティーで支払われていたことが記載されていました。加藤氏は寄付だったと報告書を訂正しましたが、不自然です。

 加藤氏には、山形県鶴岡市の事務所家賃を実母に支出していたことも問題視されています。事務所賃料については松村祥史国家公安委員長も、兄が代表の建設会社に支払っていたことが明らかになりました。家族や親族への還流ではないかとの疑念は深まります。

 岸田首相が代表を務める自民党支部の政治資金収支報告書でも寄付金10万円の不記載が発覚するなど、政治資金管理を巡る首相自身のずさんな姿勢があらわになりました。

国民の不信は募るばかり

 岸田政権は昨年の内閣改造直後も「政治とカネ」にからむ疑惑が噴き出し、3閣僚が辞任に追い込まれました。岸田首相は閣僚らの疑惑が浮上するたび本人が説明するとごまかすだけで、自ら解明に動きません。受託収賄罪で起訴された秋本真利衆院議員(自民党を離党)の事件も人ごとのような対応です。これでは国民の信頼は得られません。

 閣僚らの問題を徹底解明するとともに、金の力で政治をゆがめる企業・団体献金を全面的に禁止することが不可欠です。


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