2023年10月1日(日)
きょうの潮流
自分が好きなことや人物を追いかけ、応援する「推し活」。その活動を通して楽しみや活力、幸せを得て、人生が変わったと実感している人も多い▼「推し」や、より良く見せようとする「盛る」といった表現が世間に浸透してきた―。文化庁の国語世論調査で明らかになった新しい表現の定着。担当者は既存の言葉に新たな意味が加わったことで受け入れられたと分析します▼なかには「異様だと感じてあきれる」を意味する「引く」の表現も。それよりさらにひどい状態を表す「どん引き」も以前から使われてきました▼まさにどん引き。自民党が杉田水脈衆院議員を党の環境部会長代理に起用するといいます。アイヌ民族などをおとしめる投稿で公の機関から「人権侵犯」と認定されたばかり。差別発言をくり返し無反省の人物を要職につけるとは、この党の人権感覚の欠如もあらわに▼フランス研修中に浮かれた写真をSNSに投稿し、女性局長を辞めた松川るい参院議員も党副幹事長へ。あれだけ批判を浴びながら、政党助成金も入った研修の報告書も公表しないまま表舞台に復帰させる。岸田内閣の副大臣・政務官54人のすべてが男性という異常な姿にも「引く」一方です▼先の調査では8割超の人が言葉の使い方に気を使っているとしています。差別や嫌がらせと受け取られかねない発言をしないという回答も多数あり。世の中からかけ離れていく、政権与党と岸田首相。「どうしようもなくなった」を言い表す「詰んだ」がぴたりと。