2023年9月30日(土)
マイナ保険証 利用減
3カ月連続 利用率5%割る
トラブル続きの「マイナ保険証」の利用状況をめぐり、患者が医療機関や薬局にかかった際の保険資格確認の件数が5月から3カ月連続で減少したことが厚生労働省の調査で分かりました。現行の健康保険証の提示を含む全体に占める利用率は5%を割りました。29日の社会保障審議会の部会で報告されました。
マイナ保険証による資格確認件数は、5月の853万件をピークに6月は849万件、7月は781万件と続落。今回の調査結果では8月が734万件で、引き続き減少しました。現行の保険証利用約1億5千万件を含めた全体で見ると、マイナ保険証の利用割合はとうとう5%を割り、8月は4・7%でした。マイナ保険証のメリットだと喧伝(けんでん)されてきた診療・薬剤・特定健診の各情報の閲覧件数も連続減少となっています。
岸田政権は、マイナンバーカードの普及ありきで来年秋の現行保険証の廃止を狙っていますが、マイナ保険証は他人の医療情報とのひも付け誤りや窓口負担割合の誤表示、顔認証エラーなどのトラブルが続出。来年秋の廃止は「不安払拭のための措置の完了が大前提だ」と言います。
しかし、国民にほとんど使われていないうえ、利用数が減り続けている実態は、保険証廃止の道理のなさを浮き彫りにしています。