2023年9月28日(木)
全米脚本家組合 スト5カ月終結
AI規制など かちとる
【ワシントン=石黒みずほ】全米脚本家組合(WGA)理事会は26日、待遇改善などを求めて5カ月にわたり実施したストライキを終結させると発表しました。制作会社らを代表する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)との暫定合意を同日、全会一致で承認しました。
ストは27日に解除され、1万5000人の組合員は職場に戻ります。暫定合意の承認を問う組合員投票は10月に行われます。
新しい労働協約では、3年間で12・5%の賃上げに加え、動画配信サービスなどで作品が使用された際に支払われる再使用料に関し、視聴率に基づく特別手当の支給など新たな仕組みを導入。テレビ番組の制作チームに占める脚本家の人数を番組に応じて増やします。
文章を作る生成AI(人工知能)利用に規制を行い、制作会社側がAI使用を脚本家に強制できないことなどを確認しました。
WGA交渉委員会のアダム・コノバー氏は、組合側の要求の「ほとんどの点で前進させることができた」と米メディアに語り、SNSのX(旧ツイッター)で「われわれは勝利した」と強調しました。
ハリウッドでは、脚本家と同時に全米俳優組合(SAG・AFTRA)が7月からストを続けてきました。俳優組合は同日夜、Xに「われわれのたたかいは、いよいよ白熱している。われわれにふさわしい公正な労働協約を勝ち取る決意だ」と投稿しました。