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2023年9月27日(水)

きょうの潮流

 対談やインタビューの“名手”が肝に銘じていたことがあります。相手の気持ちを推し量る、自分ならどう思うかを考える、上っ面な受け答えをしない▼雑誌やテレビであまたの人物と対してきた作家の阿川佐和子さん。相手の心の中はいま、どんな状態になっているのかとおもんぱかる。自分と違っても、どこかで共鳴する場所を見つけ、相手に対してより深い理解と興味をもつことが肝要だといいます(『聞く力』)▼この人はどうか。2年前の就任以来「聞く力」を大切にし、国民に寄り添うとくり返してきた岸田首相です。それが上っ面だけのもので聞くことさえもしないことは、たびたびあらわになってきました▼インボイス反対のオンライン署名。国内最多の50万をこす声を集めたにもかかわらず、首相は受け取りを拒み、自民党も訪問を断ったそうです。よくこれで「聞く力」などといえたものです。それとも反対する人たちは声を聞くべき国民とみなされていないのか▼万博をはじめとする巨大開発、物価高騰で生活が苦しくなる中での増税や大軍拡。それに対して中止や見直しを求める、いまの政治に疑問や不安を感じている多数の人びと。その声を無視して対策を打ち出しても、たくさんの願いとかけ離れていくだけです▼「いつも必死にインタビューしてきた」。本紙日曜版で阿川さんが語っています。それは相手と誠実にむきあってきた証しでもあるでしょう。いっけん誠実そうに見せかけ、じつは裏腹の誰かさんとは違って。


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