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2023年9月21日(木)

杉田氏の人権侵害認定

札幌法務局、アイヌ差別で「啓発」

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員がインターネット上でアイヌ民族を侮辱する投稿をしたことについて、札幌法務局が杉田氏に対し「アイヌ文化を学んで発言を注意するように」とする「啓発」の措置を取ったことが20日、分かりました。法務省に人権救済の申し立てをしていたアイヌ女性の多原良子さんが明らかにしました。

 杉田氏は2016年の国連女性差別撤廃委員会でアイヌ女性らを撮影し、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」などとしてブログやフェイスブックに投稿していました。

 同法務局は15日に多原さんに対し、「人権侵犯の事実があったが、ブログなどが削除されたので啓発以上の措置はできない」と説明したといいます。

 多原さんは本紙の取材に「法務局がきちんと向き合うか不安だった。認定は一歩前進。アイヌ民族全体に対してヘイト(憎悪による差別)がある。黙っていれば一生言われ続ける。おとしめられたマイノリティー(少数派)が声を上げられるようになればいい」と述べました。

 杉田氏の事務所は法務省の職員が来たことを認めたうえで、「『啓発』を受けたかは答えを差し控える」としました。杉田氏は野党や市民から議員辞職を求められていますが、応じていません。

 人権救済の申し立てに対し、法務省が人権侵害を認定した場合、告発や啓発など7種類の救済措置をとることができます。


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