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2023年9月15日(金)

存否答えず「適法」

大阪地裁 森友文書開示、請求棄却

赤木さん控訴へ

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(写真)閉廷後に大阪市内で会見する赤木雅子さんの弁護団=14日

 学校法人森友学園への国有地売却をめぐり、公文書の改ざんを強要され自ら命を絶った財務省近畿財務局(近財)職員の赤木俊夫さんの妻、赤木雅子さんが、改ざんに関するとみられる行政文書の不開示決定取り消しを国に求めた訴訟の判決が14日、大阪地裁でありました。徳地淳裁判長は、文書の存否(そんぴ)すら明らかにしない国の「存否応答拒否」処分について適法と判断し、赤木さんの請求を棄却しました。

 法廷で裁判長による判決理由の説明を聞いていた雅子さんがうつむいて倒れこみ、車いすが運び込まれる場面がありました。雅子さんはその後、「あまりにひどい判決。理由を聞いているとショックで耳に膜がかかったようになった」とのコメントを出しました。控訴する意向です。

 雅子さんは「森友学園事件の捜査で財務省と近財が検察に任意提出した行政文書」の開示を求めていましたが、国は存否の応答を拒否しました。

 判決はこの処分について、存否を明らかにすると「財務省や近財がどのような文書をどの範囲でどの程度の数、検察に任意提出したのかが推知される」「捜査手法や捜査対象の範囲といった捜査の内容や捜査機関の関心事項が推知されるおそれがある」としました。

 その上で「ひいては将来、同種の刑事事件のみならず、行政機関が対象となる事件一般の捜査についても…捜査に支障が及ぶおそれがある」として存否応答拒否を適法と結論付けました。

 閉廷後、雅子さんの代理人弁護士は「国の主張を丸のみした」と一斉に反発しました。

 生越照幸弁護士は「森友学園問題は何も検証できていない。検察が不起訴にし、裁判所は『同種の事件の恐れがあるから』と言って国民に検証のための材料を渡さない。何のために司法があるのか。役割の放棄だ」と語りました。

 阪口徳雄弁護士は「これらの文書が明らかになれば、国が国権の最高機関である国会に対してウソを言ったことが蒸し返される、と国が心配している。それを忖度(そんたく)して裁判所がこういう判断をしたなら、司法権の放棄に等しい」と指摘しました。


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