2023年9月14日(木)
きょうの潮流
赤旗記者の先輩から徳島特産のすだちが送られてきました。毎年この時期に届くうれしい贈り物。さわやかな香りと酸味に季節のめぐりを感じます▼うんざりするほど猛暑と大雨に明け暮れた今年の夏。まだ暑い日がつづきますが、秋の気配はゆっくりと近づいています。朝晩の空気や花々の移り変わりようにも変化してゆく季節のきざしがみてとれます▼さて、こちらはどうか。支持率の低迷にあえぐ岸田首相が施した内閣改造と党役員人事です。「日本はまさに正念場にある」と意気込んでとりくんだものの、政権の骨格は維持したまま。これまでの政治姿勢に変わりはないと宣言したような顔ぶれです▼マイナンバーをめぐって大混乱と不安を引き起こした河野太郎デジタル担当相は続投。軍拡の予算づくりを進めてきた鈴木俊一財務相や原発推進で汚染水の海洋放出でも漁業者の思いをふみにじってきた西村康稔経産相も留任させています▼11人の初入閣、5人の女性閣僚をいくら強調しても、国民の声とむきあわなければ何のための人事か。これでは各派閥に気を配っただけの「刷新」ではないか。統一協会との癒着の反省もどこ吹く風です。これで政権浮揚とは厚かましい▼すだちは料理や飲み物の味を引き立てますが、本体がまずくてはそれも及びません。目先は変えても国民の期待にはこたえられない岸田政権。問われているのは政治の中身です。共産党の小池書記局長は「いま必要なのは内閣改造ではなく政治の改造」。その通り。








