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2023年9月9日(土)

中絶合法化 全国へ拡大

メキシコ最高裁 処罰は女性の権利侵害

 メキシコの最高裁は6日、人工妊娠中絶を罰する連邦刑法の規定を違憲とする判決を出しました。同規定は女性の決定権を侵害していると判断。これにより中絶の合法化は一部の州から全国に拡大します。全国女性庁は「きょうはメキシコ女性にとって勝利と正義の日だ」との声明を発表しました。

 同国の女性団体は、中絶する女性やその施術を行う医療関係者を犯罪者扱いする現行刑法が女性の権利を侵害していると主張。権利保護を求めて提訴していました。

 判決は女性団体の主張を全面的に認め、自由意思による中絶を罰する規定は「女性が妊娠の継続や中断を決める権利を全面否定するものであり違憲だ」と断じました。

 また、中絶を犯罪行為とすることが、当事者女性に、望まない妊娠の継続を強制する「拷問や虐待」となっていると問題点を厳しく指摘しています。

 判決はこうした判断の下に、国会に対して今会期中に中絶を罰する刑法規定を廃止するよう命じています。

 メキシコは国民の大部分がカトリック信徒で、中絶反対の保守的な考え方が支配的でしたが、女性団体の運動が高まり、最高裁が2021年、中絶合法化の判断を示していました。

 当時の判決は、北部1州の刑法に関する判断でしたが、運動を励まし、州刑法改正による中絶合法化が前進。21年当時、全国32州中4州だった中絶合法州は現在12州となっていました。


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