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2023年9月7日(木)

議長、多国間協力訴え

国連総会開幕 気候・紛争・貧困

 【ワシントン=石黒みずほ】第78回国連総会が5日、ニューヨークの国連本部で始まりました。議長を務めるカリブ海の島国トリニダード・トバゴのデニス・フランシス氏は開会演説で、「地政学的な分断が先鋭化し、核の不確実性に直面する危険な新時代となっている」と指摘。国連総会は、多国間協力で平和を実現する「特別な責任を担っている」と強調しました。

 総会は18、19日に、「持続可能な開発目標(SDGs)」を前進させるためのハイレベル会議を予定しています。フランシス氏は、このままでは、「飢餓ゼロ」を目標に掲げながら、目標期限の30年に依然として6億8千万人が飢餓に直面することになると指摘。「私たち自身が掲げた『誰一人取り残さない』という約束を果たせなくなる」と取り組みの遅れに警鐘を鳴らしました。

 喫緊の課題となっている気候変動対策についてフランシス氏は、「清潔で健全、持続可能な環境へのアクセスは人権」だと新たに位置付けた22年の総会決議に言及。国連事務総長が主宰し20日に予定される「気候野心サミット」では、変化につながる意義ある結果を出すよう求めました。

 国連のモハメド事務次長は、平和や気候変動など地球規模の重大な課題に直面しているが、「悲観的になるのではなく、行動を起こす時だ」と強調。「平和、未来の繁栄、健全な地球のための解決策を前進させていこう」と呼びかけました。

 今年は、核兵器全面廃絶国際デーの制定から10年にあたり、26日にはハイレベル会合が開かれます。19日から各国首脳による一般討論演説が行われます。ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が侵攻後初となる対面参加を計画しています。


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