2023年9月7日(木)
湯布院に地対艦ミサイル部隊
大分 観光地隣接、攻撃対象の恐れ
防衛省が2024年度中に、陸上自衛隊湯布院駐屯地(大分県由布市)に敵基地攻撃能力につながる地対艦ミサイル部隊を配備させることが分かりました。「第8地対艦ミサイル連隊」を新編し、12式地対艦誘導弾などを配備します。同省が本紙の質問に回答しました。
湯布院駐屯地は、国内有数の観光地である「湯布院温泉」に隣接しています。同駐屯地にミサイル部隊を配備すれば、有事の際に攻撃対象とされ、周辺住民などに危害がおよぶ恐れがあります。
同省は24年度概算要求に、隊員が居住する庁舎の設計や車両整備場の整備などに約39億円を計上。連隊は約290人規模です。大分市の陸自大分分屯地では長射程の「スタンド・オフ・ミサイル等」を保管する大型弾薬庫2棟を新設する予定で、湯布院の連隊と一体的に運用するとみられます。大分分屯地も住宅地や学校と隣接しており、住民から弾薬庫の建設に反対する声が上がっています。
12式地対艦誘導弾は、射程を1000キロ程度に延ばす能力向上型の開発・量産が進められており、26年度に部隊への配備が狙われています。
政府は、安保3文書の一つ「防衛力整備計画」で地対艦ミサイルを運用する連隊を七つ設置すると明記。湯布院駐屯地はこの一つとなるとみられます。防衛省は、対中国を念頭に、沖縄県の宮古島、石垣島、鹿児島県の奄美大島に地対艦ミサイル部隊を配備。これらの部隊を指揮する新たなミサイル連隊を、23年度中に陸自勝連分屯地(沖縄県うるま市)に置く予定です。








