しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年9月5日(火)

朝鮮人虐殺145人 新史料

神奈川知事、内務省に報告

市民グループ「政府隠ぺい裏付け」

写真

(写真)神奈川県における朝鮮人虐殺の新史料について説明する山本さん=4日、東京都内

 100年前の関東大震災下で起こった朝鮮人・中国人虐殺について、神奈川県の市民グループが4日、県内で虐殺された朝鮮人は145人で、そのほとんどが横浜市内で起きたことを当時の知事が政府に報告していたことを示す新たな史料を公開しました。市民グループは「日本政府は朝鮮人虐殺について詳細に調査しながらそれを隠してきたことを裏付けるものだ」と強調しました。

 これまで神奈川県での虐殺は公的な史料で県全体が2件、横浜市はゼロとされていました。公開した史料は1923年11月21日付で、当時の神奈川県知事、安河内麻吉が、内務省の警保局長あてに出した「震災に伴う朝鮮人並びに支那人に関する犯罪及び保護状況其他調査の件」と題する文書です。

 4日、「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」が記者会見を開き、この分野では第一人者の姜徳相(カン・ドクサン)さん(2021年死去)が生前集めていた資料のなかにあったと報告しました。同実行委員会は姜さんとともに朝鮮人虐殺について調査・研究をしてきました。

 史料は、朝鮮人が殺害された日時と場所を詳しく記載する一方、加害者についてはすべて「不明」となっています。同会代表の山本すみ子さんは「どれも朝鮮人の流言飛語による恐怖と不安にかられた結果殺したとなっているが、なぜ虐殺された朝鮮人の氏名がわからないのか。疑問は多く残る」と指摘しました。

 また、震災からわずか3カ月でまとまった報告をしていることから「他県でも同じように警保局長に報告をしているのではないか」と語りました。


pageup