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2023年9月5日(火)

辺野古 沖縄県の不承認は「違法」 最高裁が不当判決

 沖縄県名護市の米軍新基地建設をめぐり、軟弱地盤に伴う地盤改良のための設計変更申請を不承認とした沖縄県に対する国土交通相の「是正指示」は違法だとして、県が取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は4日、県側の上告を棄却しました。


 私人の権利救済を目的とした行政不服審査法を乱用し、国が国を救済する手法を是認する不当判決です。国と自治体は対等であるという地方自治の本旨をないがしろにし、国が力ずくで自治体を従わせる先例にもなりかねません。

 判決確定に伴い、玉城デニー知事は設計変更を承認する義務を負う形となります。同時に、是正指示は県に対して承認を強制することはできません。今後、国側は判決に従うよう県に勧告や指示を出し、「代執行」の手続きを取る可能性もあります。

 埋め立て区域北側の大浦湾に広大な軟弱地盤の存在が確認されたことを受け、防衛省沖縄防衛局は2020年4月、県に地盤改良のための設計変更承認を申請。これに対して、県は21年11月、水面下90メートルまで軟弱地盤が存在する「B27」地点で力学的試験を実施していないなどとして、公有水面埋立法に基づき不承認としました。

 国は対抗措置として是正指示などを出し、県は昨年8月、訴訟に踏み切っていました。


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