2023年9月4日(月)
米国製兵器 維持費が高騰
F35A・B戦闘機、合計7.9兆円
![]() (写真)米軍岩国基地(山口県岩国市)で垂直着陸するF35Bステルス戦闘機。防衛省は2024年度から空自新田原(にゅうたばる)基地への配備を狙っている |
兵器類のライフサイクルコスト(LCC、導入、維持費などの総額)が上昇傾向にあり、とりわけ米国製兵器で高騰していることが、防衛装備庁が8月31日付で公表した装備品管理に関する年次報告書で浮かび上がりました。
際立っているのが、「史上最も高価な兵器システム」と言われるF35A、Bステルス戦闘機です。2021年時点で、運用期間を30年と想定し、Aを3兆9261億円、Bを2兆3460億円と見積もっていました。ところが今年の報告書では、Aが4兆8508億円、Bが3兆352億円と大幅に上昇。A、Bの合計で約7・9兆円に達しています。(表)
内訳をみると、機体そのものの価格に加え、燃料費や部品調達、改修費など全般的に高騰しています。燃料費をめぐっては国際的な原油価格の高騰のあおりを受けた形になっています。
部品調達や改修は、高性能化に伴う単価の高騰などが考えられます。
KC46A空中給油機、無人偵察機グローバルホーク、E2D早期警戒機といった米国製兵器も軒並みLCCが高騰しています。
米国では兵器の高性能化に伴い、導入費や維持費が高騰し、「持っているだけ」で莫大(ばくだい)な費用がかかる状況が相次いで報告されています。とりわけ、F35をめぐり、米政府監査院(GАO)は2021年3月の報告書で、維持費は今後も増え続けると警告。これらは現在だけでなく、将来の納税者にまで重い負担をおしつけるものです。










