2023年9月3日(日)
24年度防衛省概算要求
4新弾薬庫に221億円
敵基地攻撃ミサイル配備の恐れ
防衛省は、陸上自衛隊沖縄訓練場(沖縄市)と、えびの駐屯地(宮崎県えびの市)、奄美大島の瀬戸内分屯地(鹿児島県瀬戸内町)、多田分屯地(北海道上富良野町)に弾薬庫を建設する方針を、本紙の取材に対し明らかにしました。2024年度予算の概算要求で弾薬庫の建設費として計221億円を計上しました。
![]() |
保管する弾薬の種類については「答えを控える」としましたが、沖縄・九州を中心に12式地対艦誘導弾能力向上型など、敵基地攻撃能力の一環である長射程ミサイル(スタンド・オフ・ミサイル)が配備される恐れがあります。同省は、23年度中に沖縄県うるま市の陸自勝連分屯地に地対艦ミサイル部隊を配備する予定で、奄美大島にも12式地対艦誘導弾を配備しています。
沖縄訓練場をめぐっては、「自衛隊の弾薬庫等建設に反対する沖縄市民の会」が4月に結成され、「沖縄を戦場にする準備だ」として、弾薬庫の建設中止を求める声が住民から上がっています。
23年度予算には、陸自大分分屯地(大分市)、海自大湊地方総監部(青森県むつ市)に大型弾薬庫を建設する予算を計上。一方で、陸自祝園(ほうぞの)分屯地(京都府精華町)と海自呉地方総監部(広島県呉市)で弾薬庫建設に関する調査費も計上していましたが、24年度予算概算要求では盛り込まれませんでした。
政府は、安保3文書に基づき長射程ミサイルを大量に取得すると同時に、弾薬庫を増設する方針。弾薬庫の「島しょ部への分散配置」を重視しており、沖縄・九州の戦場化を加速させる動きです。