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2023年9月2日(土)

ストは権利 今この流れを

国民運動部部長 行沢寛史

 そごう・西武労働組合(UAゼンセン加盟)が、雇用維持、事業継続の確証がないままの株式売却に抗議して、8月31日に西武池袋本店で決行したストライキ。立場の違いを超えた幅広い労働組合、さまざまな団体、多くの国民・消費者からの支援や連帯、支持の輪が広がりました。

 ストは、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と憲法28条に明記された労働者の正当で基本的な権利です。

 ストは、労働者が同時に労務を停止するため、多くの国民の生活や経済活動に大きな影響を及ぼします。にもかかわらず、ストが権利として保障されているのは、資本主義社会では労働者が資本家(使用者)に対して従属的な地位に置かれるもと、労働者が自らの労働条件の決定や経済的地位の向上にかかわるには、ストをはじめとした争議行為が不可欠と考えられているからです。同時に、スト権自体が長年にわたる世界の労働者のたたかいを通じて、労働者が勝ち取った権利です。

 しかし、ストが労働者にとって最も強い交渉力を与えるからこそ、政府・財界は一体になって労働組合運動に介入し、スト封じ込めに躍起になりました。その結果、1974年の1万462件(全国、半日以上)をピークに、2022年の270件まで激減したのです。

 いま、この流れを転換する動きが広がっています。全労連・国民春闘共闘委員会は今春闘で、1529組合がスト権を確立し、341組合が405回のストを実施し、23年ぶりの高い賃上げを実現しました。

 世界でも、ウクライナ侵略をきっかけにした物価高騰のもと、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど多くの国の労働者が大幅賃上げを掲げてストを決行し、賃上げを勝ち取りました。

 労働者の団結したたたかいこそ、賃上げ、労働時間短縮などの労働条件改善、雇用維持の力です。ストがさらに大きく広がることが、労働者の願いを実現する道を開きます。


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