2023年9月1日(金)
検察の証拠却下を
静岡地裁に意見書 袴田事件弁護団
「有罪立証の余地なし」
![]() (写真)会見する袴田巌さんの弁護団。袴田ひで子さんはオンラインで参加しました=31日、静岡市葵区 |
1966年に静岡市で起きた強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判にあたって弁護団は31日、検察が有罪立証のために請求予定の証拠255点を却下するよう求める意見書を静岡地裁に提出しました。
7月の三者協議で、弁護団と検察の双方が再審公判で請求予定の証拠を明らかにしました。静岡地裁は、相手側の証拠について採用に同意するかどうか、双方の意見提出を求めていました。
弁護団は、意見書で「再審公判で、検察官が有罪立証をする余地はない。裁判所は検察官の証拠請求に『必要性がない』と却下すべき」としています。
検察は再審開始を決めた東京高裁決定について、「科学的リテラシーに欠ける」とする法医学者7人の共同鑑定書を“新証拠”として請求しています。弁護団は意見書で、再審請求審で科学的正当性を否定された見解を蒸し返していると指摘。「科学的証拠の装いをしたものの『鑑定』とはいえない」と批判し、“新証拠”については「特に許されない」と強調しています。
弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「弁護人の接見を盗聴したり数々の違法行為が明らかになった。そのことを全く無視した議論をしており、今さら有罪立証することは許されない。早く決着をつけたい」とのべました。
巌さんの姉、袴田ひで子さんは「あと一息です。みなさん、がんばっていきましょう」と語りました。次回の三者協議は9月12日に予定されています。









